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無機王『僕の腕枕、君の蟹ばさみ。』

こんにちは!

昨日13日(土)は雨の中、王子小劇場に行ってきました。
無機王第9回公演、作・演出 渡辺純一郎『僕の腕枕、君の蟹ばさみ』

ずっと気になっていたが、公演が重なったり、葬儀と重なったり、貧乏暇無しだったりして今日に至る。

今回はズバリ(その他の回のことは知らないが)青春モノ(あまり好きな言い方ではないが)いい!みずみずしい!良い感性をしている。
作・演出良し。役者良し!

王子小劇場を構成舞台にして、実にシンプルにうまく使っている。
(図はあとで載せます)
…つまり、いくつかに段差された空門と、大きな寺の階段と、玄関として使用される開き戸、他に具体的なモノは一切無し。
それでいて、八方向位の行き来ができ、その奥がお客に実にうまく想像できる。

この芝居の良さは、青春モノでありながら出てくる男が全員バカで情けないことだろう。

主役の“薫子”をやった中島佳子、自閉症的な生きる強さをみずみずしく演じている…!マーク義理人情の高橋康則、こういう役をやらせたらバツグン!坊主の息子 大矢場智之(インパラプレパラート)もヨシ!おませで気のいい内山ちひろ(インパラプレパラート)ヨシ! 坊主の長女 綾をやった山田佑美おもしろい。これは全部演技なのか彼女そのものなのかわからなかったのか、このボケかましはちょっと出来ない技! 弟の趙徳安(アンテナ)このくらい出来て当然。しかし清潔感は実に良い!
西山竜一さん、いいんだけどもっと出来そう。きっこの山崎康代さん、これは作家の問題、何とも言えない!
そして、主人公の未来の男女、西松希さん、大塚秀記さん(つよしとひでき(trf))これも今回はやはり作品に奉仕するしかない役。

以上、書いてみると作品としてのダイナミズムからいえば、ボクの演劇感から言えば最後の3人に、舞台上のリアリティーを与えられたら、渡辺君の作品がもっと多くのファンを獲得するのではという結論です。

ともあれ、観たい観たいと思ってやっと観られて嬉しかったです。

そうそう、この無機王と同じ理由で、まだ本物を観ていない劇団があります。それは“天然スパイラル”作・演出 金房実加です。ここの役者は、他に客演していて観たことはあるのですが、本体を観ていません。そして今年もテンスパ10回公演は何故か、三田村組10回公演と同じ7/6〜7/10。いや〜、重なるモノは不思議なモノだ。でも終わって一日ある。どうか、打ち上げ(7/9)飲み過ぎないことを祈る。

さて、これから“ハルちゃん”日替わりゲスト小林美江を観てきます。
その前に今日は、うちの奥さんも大好き“三田村特製 ミートナポリタンスパゲティ”で腹ごしらえ。

at 12:27, 三田村 周三, 三田村 周三

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comment
渡辺, 2006/05/19 4:55 AM

無機王の渡辺です。
この度はご感激頂き本当にありがとうございました。
何度かお礼の電話をしたのですが、ちょうど電源が
入ってない時ばかりで、タイミングを逃してしまいました。

とても参考になる感想までいただき、本当に恐縮です。
劇団員一同、素敵な舞台を作るようこれからもがんばっていきたいと思います。

「仰げば尊くなし」楽しみにしています!










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wonderland, 2006/05/26 12:19 AM

 「僕の腕枕、君の蟹ばさみ。」とは、ヘンなタイトルです。でも見終わって、瞬間的に「分かった」という気持ちになりました。ぶきっちょで優しい男の子と、ひりひりするような尖った女の子の、愛と追憶と再生の...